SellerSpriteのPPCレポート活用法:広告効果を改善する

はじめに

Amazon広告(PPC=Pay Per Click)は、単にクリック数を増やす施策ではありません。
どの広告が利益を生み、どの広告がコストを浪費しているのかを数値で把握し、改善することが本質です。

しかし、多くのセラーが「ACoSが高いから悪い」「クリックが多いから成功」といった表面的な判断にとどまり、真の改善につながっていません。

SellerSpriteを使えば、広告データを「可視化」し、どの要素がボトルネックかを一目で確認できます。本記事では、そのデータを使って広告効果を改善するための実践手法を具体的に解説します。

PPCレポートの基本構造を理解する

まずは主要なPPC指標の意味を整理しておきましょう。

指標名内容改善に活かす視点
Impressions(表示回数)広告が表示された回数露出が十分か、入札額やマッチタイプを見直す
Clicks(クリック数)広告がクリックされた回数興味を引くクリエイティブ・タイトルか
CTR(クリック率)Clicks ÷ Impressions広告の魅力度・関連性を示す指標
CPC(クリック単価)Ad Spend ÷ Clicks費用効率と競争度を把握する
Orders / CVR(注文数・転換率)Orders ÷ Clicks商品ページの完成度(画像・レビューなど)を反映
ACoS(広告費率)Ad Spend ÷ Ad Sales広告単体の採算を測る
ROAS(広告費回収率)Ad Sales ÷ Ad Spend投資1円あたりの売上額を把握
TACoS(全体広告費率)Ad Spend ÷ Total Salesブランド全体への広告効果を測る
PPCコスト率(SellerSprite独自)広告1件あたりのコスト感覚広告費×販売単価のバランス調整

👉 重要な考え方
CTRは「入り口の強さ」、CVRは「出口の強さ」。
ACoSやROASは「燃費(効率)」、TACoSは「成長性(持続性)」を表します。

SellerSpriteでできる「広告効果改善」

問題点を可視化する(診断)

まずはレポート全体を俯瞰して「どこにムダがあるか」を明確にします。

主なチェックポイント

  • CTRが低い(0.3%以下) → 広告が見られてもクリックされていない
     → タイトルや画像、価格設定が弱い可能性
  • CVRが低い(5%以下) → 商品ページが弱い/レビュー不足/LP改善が必要
  • ACoSが高い(利益率を上回る) → 収益構造が崩壊
  • CPCが高止まり → 入札競争が激しいキーワードに偏り
  • TACoSが上昇傾向 → 広告依存が進行している

SellerSprite活用:広告インサイト

広告インサイトでライバルASINの広告キャンペーンやキーワードを発見する

具体的なASINで対応する広告構成を分解してみましょう。

このASIN B0BRSWXB8Pを例にしてリサーチをクリックすると、この商品とそのすべてのバリエーションに対して、キャンペーンと広告グループが、デフォルトで現在から過去の順に表示されます。

画像出典:セラースプライト

複数のバリエーションが広告グループに配置されている場合、セラースプライトシステムはバリエーションを1つのグループに分割しますので、Amazonセラーセントラルよりも広告グループの数が多くなります。

画像出典:セラースプライト

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同じ色の広告グループは同じキャンペーンに属します。これらの丸い点は異なる時間帯の広告個数を示しており、点をクリックすると具体的な検索ワードの詳細が表示されます。

画像出典:セラースプライト

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広告キャンペーンのデータをダウンロードしたい場合は下記のマークをクリックしてください。1-3分を待ってシステムに自動的に作成してくれます。その後、ダウンロードボタンを押すとExcelでキーワードがすべて表示されます。

画像出典:セラースプライト

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キーワードを参考して自分の商品の広告キャンペーンにいれたり、変更したりした方が良いと思います。

データから「なぜこの結果になっているのか」を掘り下げます。

① CTRが低い → 広告の入り口に課題

  • 商品画像が埋もれている → 競合との差別化画像を追加(1枚目写真をA/Bテスト)
  • タイトルのキーワード配置が弱い → 検索意図に合わせて主要KWを先頭へ
  • 価格帯が周囲より高い → 期間限定クーポンやバリエーションで調整

② CVRが低い → 商品ページの出口に課題

  • 画像が少ない/ベネフィット不足 → 7枚構成+比較図/使用シーン追加
  • レビュー数が少ない → 初期購入者キャンペーンを活用
  • 商品説明に信頼感がない → 箇条書きを「特徴→利点→効果」で構成

③ ACoS・ROASが悪化 → 入札・マッチタイプに課題

  • 広範囲なブロード配信 → 無駄クリック増加
  • 特定KWに入札偏重 → CPA上昇
  • 対策:ブロードを絞り、高転換語句を完全一致に昇格

④ TACoSが上昇 → 自然流入が減少

  • 広告経由売上ばかり伸びているサイン
  • 対策:広告で得たKWを商品タイトル・説明文に反映しSEO最適化

最終的には、TACoSの下降(広告依存から脱却)と自然売上の増加が目標です。
PPCは「短期の販促」ではなく、「ブランド成長のエンジン」。
SellerSpriteを使って、あなたの広告を“数字で語る戦略”へ進化させましょう。

セラースプライトの月額料金とプラン

セラースプライトには5つの料金プランがあります。プランによって利用できる機能が異なります。スタンダード会員には月額と年額があり、年額の方がお得ですが、使える機能は月額とほぼ同じです。

画像出典:セラースプライト

初心者の方は無料版からスタートを使ってみた方がいいと思います。操作性や機能などを学んでいくのがおすすめです。基本的にはスタンダード会員で十分だと思いますが、さらに詳細な情報がほしいなど物足りなさを感じたらアドバンスド会員やVIP会員をチャレンジしましょう。

セラースプライトの割引コード

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